1.太陽光パネル設置のきっかけ
今年(2018年)は新築してから15年目になりますが,ヘーベルハウスでは外壁塗装の塗り直しのメンテナンスの年になります。初めての工事の打ち合わせのと気に,担当のNさんから太陽光パネル設置の提案をしていただきました。それまでは,自宅に設置することは否定的な考えを持っていました。太陽光パネルの製作過程でかなり環境に負担をかけているので決して環境に優しいとは言い切れないこと,また,設置費用が高く,経済的負担の方が大きかったことなどが,その理由です。
しかし,東京電力の電化上手(オール電化)を利用していますが,年々電気代が高くなっていることが悩みでした。その大きな原因が,再エネ発電付加金で,年々値上がりして負担が大きくなっており,今後もさらに増加することは間違いなさそうです。その他の原因として,子どもの成長とともにライフスタイルも変化したこともあります。
そんなとき,太陽光発電の提案を受けたのです。調べてみると,設置費用はだいぶ安くなっていました。このときおもに参考にしたのは「太陽光発電総合情報」というサイトでした。自分が調べていた2018年初めの時点では1 kwhあたりの設置費用の最安値が26万円,平均価格が30万円台半ばぐらいだったかと思います。あまりよくおぼえていないので,少し違っているかもしれません。
また,太陽光パネル自体の性能も向上して,屋根に設置したときの発電量も以前より多くなっているようでした。
一方,発電した電気の買い取り価格は,太陽光発電の普及とともに,ここ数年どんどん下がり,今年度は1kwhあたり26円になっていました。しかも来年度は未定でさらに下がりそうです。これらは資源エネルギー庁の「なっとく!再生可能エネルギー」というサイトをご覧いただきたいと思います。
さらに,太陽光パネルを設置する際には足場などの設置費用がかかります。しかし,外壁塗装とあわせて行えばその負担も軽減します。
もし,設置費用を自家消費分と売電でペイするなら今かな?と考えました。
このように,いろいろと調べた結果,設置を前向きに検討することにして,ヘーベルハウスに見積もりをお願いしました。
しかし,検討していくと,いろいろと悩むことが出できました。
2.設置にあたって考えたこと
さて,設置するかどうかについて,最も気にしたのは,設置によって損をしないことでした。我が家は決して裕福ではないので,環境に配慮して太陽光発電システムを導入することは理由になりません。儲けなくてもいいから,損だけはしたくありませんでした。そこで,設置の提案を受けてから数週間いろいろと調べてみました。
まず,設置費用は我が家の新築時と比べてずいぶん安くなっていました。ただ当時は補助金もあり,1kwhあたり50万円台半ばが設置費用の目安だったような気がします。補助金もなくなったのでどうかと思っていたのですが,年々設置費用が下がっているようで,2018年当初は,30万円台半ばが平均のようでした。また, 「太陽光発電総合情報」などいろいろなサイトを調べてみると, 発電量は1 kwhあたり年間で1200 kwがおおよその目安ということも分かりました。
また,すでに設置された方々の報告も「価格コム」のサイトでずいぶん参考にさせていただきました。このサイトには,それぞれの方の導入前3ヶ月後3ヶ月の光熱費とその比較,および回収期間の試算も出ています。ただ,アップされたデータだけでは,長期評価もないため信頼性は微妙に感じましたが,自分の場合に置き換えたときのある程度の目安には十分なりました。
ところで,ヘーベルハウスを選んだ方は,ロングライフ住宅であることが決め手のひとつとなったのではないでしょうか?もちろん私もその一人です。そのロングライフの中には,当然ヘーベルハウスによるメンテナンスも含まれますが,たいへん割高であるという批判もよく聞きます。しかし,私は安心と信頼を得る対価としてこのコスト高については一応納得しています。実際,大震災のときの対応も大変よかったです(無料で点検していただきましたし,軒天が落ちたり,隣家の瓦が落下して外壁に辺り一部破損したり等の被害がありましたが,無償で修繕していただきました)し,リコールがあったときも説明が丁寧できちんと交換していただき大変安心いたしました。
このように,安心と信頼を置いているヘーベルハウスの保証ですが,当然ながら太陽光発電システムをヘーベルハウス以外に設置してもらった場合,屋根等についてはヘーベルハウスの保証がなくなることになります。では,ヘーベルハウスではどのような太陽光パネルが選べるかというと,京セラのパネルの一択になってしまうのです。他に三菱電機も扱っていたようですが,問い合わせたところ,現在は京セラのみだそうです。この辺はヘーベルハウスのロングライフ住宅としての品質要求に応えられるメーカーが少ないのはやむを得ないと思います。個人的には調べた中で気に入ったメーカーや,多結晶よりも単結晶のパネルがいいとか希望はあったのですが,ヘーベルハウスで設置する場合は
京セラの多結晶パネルのみ
(京セラにも単結晶パネルはあるがヘーベルハウス向けのものはない)ということになってしまうわけです。
そこで,他業者に気に入ったパネルを安く設置してもらうことも検討しました。
しかし,いろいろ調べてみると,ヘーベルハウスの屋根に設置する場合は,防水の関係で工法が特殊になるようで,ほとんどの工事請負業者が「ヘーベルハウスはやりません」というようです。もし安くお願いしていい加減に工事されたら,保証はなくなる上,雨漏りしたら困ってしまいます。そんな危険を冒してまで設置する必要なないので,設置するならヘーベルハウスで,と決めました。後は設置費用の問題です。
設置費用の平均が30万円台半ばですから,これより高いのは当然です。しかし設置の必要に迫られているわけでもないので,かけ離れていたら止めることにしました。そこで,ヘーベルハウスから見積もりをいただいたとき,パネル1 kwhあたり40万円を上限と決めました。また,設置するパネルも多い方が費用の回収も早くなるので,最低でも4 kwh以上,できれば5 kwhを目安として打ち合わせのぞむことにしました。
ところで,もう一つ悩む問題が出てきました。それは設備維持費です。
太陽光パネル自体はかなり長期にわたって発電するので,維持にかかるコストはまりないはずです。ただし,パネルを接続する部分が断線してしまって供給力が落ちることがあるそうです。この話は10年くらい前に産業技術総合研究所に見学に行ったとき,太陽光パネルの耐久性を調べている方から伺いました。その当時,年間3%くらいの割合で断線の故障があると聞いた記憶があります。ちなみに商品によって故障率にも差があること,メーカーは言えないが,やはり安かろう悪かろうだとおっしゃっていました。
この設備維持費の心配はしていたのですが,調べている間に,その他にもっと深刻な維持費があることが分かりました。それは
パワーコンディショナー
の耐用年数です。これは意外でした。ちなみにパワーコンディショナーは,太陽光パネルの発電は直流なので,これを家庭用の交流100 Vに変換するために欠かせない機器になります。
調べた情報では,5,6年で交換が必要で交換費用はおよそ30万円!太陽光発電システムはイニシャルコストが高いだけだと思っていたのですが,これを含めると設備維持費も考慮しないと,設置することで大きな損をしてしまうことがわかりました(なお,後述しますが現在は耐用年数が15年くらいに延びています)。
3.いよいよ打ち合わせ
さて,いよいよ見積もりをいただく打ち合わせの日が来ました。まず,設置するパネルの量ですが,5.4 kwhでした。これは予想外に多く,満足いきました。その設置費用ですが,およそ200万円。これも基準と考えた1kwh あたり40万円を切っています。この見積もりをいただいて,ぐっと設置する意志が固まりました。さらに,心配していた設備維持費ですが,10年間の保証期間があるそうです。パワーコンディショナーも10年以内に故障することはほとんどないそうで,もし故障しても,保証期間内なら交換してくれるそうです。もちろんその他の設備についても同様です。それならば,10年以内に初期費用を回収できれば損はしないかな,と考えました。忘れていけないのは15年後には再び
メンテナンスがあり,次回は屋根瓦の交換になる
ということです。つまり,その際太陽光パネルを取り外さなければならないのです。その費用がざっと30万円だそうです。さらに,今のパネルを再び設置することをお願いしたら費用をどのくらいかかるかを尋ねたところ,取り外しと再設置併せておよそ70万円ということでした。そのときに新しいパネルを設置する方法もありますが,価格次第ですね。もうつけない選択もあります。
いずれにしろ,10年以降パワーコンディショナーの交換があることを仮定すると,15年で費用は回収できるけど,儲けることを期待するのは止めた方がいいです。もちろん,電気料金が大幅に値上げされれば設置効果は大きくなると思います。
併せて将来的に蓄電池の設置も勧められましたが,こちらはまだ高価格なので,これからどの程度安くなるかによって検討したいと思います。今のところは設置しても費用は回収できないと思いますので。
さて,このように,心配も保証で解消し,考えていた基準もクリアしたので,お支払い方法も検討して,次回は正式に契約ということで打ち合わせを終わりました。
4.いよいよ契約
見積もりをいただいてから,しばらくはとらぬ狸の皮算用ばかりしていました。見積もりの際にいただいた発電量の試算データによると年間でおよそ 6,200 kwの発電量です。これだけでは10年以内の費用回収は厳しいなあ。でも,いろいろなサイトで他の方の発電量を見ると実際にはもっと発電していそうだ。年間7,000 kwはいけるのでは?それなら10年以内の回収は可能だ。などなどです。(まあ実際に設置してみると,発電量は天候に大きく左右され,安定しないことを痛感しています)
前回の打ち合わせから2週間後くらいに,契約に向けての打ち合わせを持ちました。ほぼ納得の内容だったので,前回の打ち合わせのまま契約しました。
支払いについては,予定していなかった太陽光発電システムの設置費用約200万円はもともと用意がなかったので,ローンを組むことにしました。このローンも太陽光発電システムの設置が条件の低金利のものをヘーベルハウスさんで用意してあるので,それを使うことにしました。こちらも費用回収の目安と同じ10年で組みました。